無料で使えるのかな?
企業分析って手間がかかるし、正直ちょっと面倒…


この記事では、その方法をわかりやすく紹介しています。
今回は、無料で使えるAIを活用した銘柄分析のやり方をまとめました。
AIはどんどん進化していて、プロンプト(命令文)を工夫することで、分析にかかる時間や労力を大幅に減らすことができます。
この記事で紹介する内容は大きく分けて下記の3つ
- AIで銘柄分析する手順
- 実際にAIを使って得られた分析結果
- AIを使う際の注意点
では、さっそくAIによる銘柄分析の方法を見ていきましょう。
目次
プロンプトとは
「プロンプト」とは、AIにどんなことをしてほしいかを伝える指示文のこと。
これを入力すれば、AIがその内容に基づいて答えてくれます。
ただし、あいまいな指示だと、期待した通りの結果が返ってこないことも。
何度か試したり、少しずつ修正したりしながら使っていくと、だんだん上手くなっていきます。
AIで銘柄分析する方法
私がよく使っている分析手順は以下の通りです。
- どのAIを使うか決める
- プロンプトを作成
- AIに実行してもらう
- 出力結果を確認
- 必要に応じてプロンプトを修正
使うAIによって多少結果の出方は異なりますが、大まかな流れは同じ。
私が試して「これは使える」と感じたAIは以下の通りです。

銘柄分析に使える!おすすめプロンプト例
ここからは、実際に使えるプロンプト例を紹介します。
初心者の方でもそのままコピペで使えるようにしていますので、参考にしてみてください。
プロンプトは用途に応じて、以下の4パターンに分けてご紹介します。
- おすすめ銘柄を教えてもらう
- 特定の銘柄について分析してもらう
- 分析の視点(指標)を細かく指定する
- 情報源を指定する
- 自分で銘柄を入力して分析させるテンプレを使う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①おすすめ銘柄を教えてもらう
まずは最もシンプルな使い方です。
ChatGPTに対して「高配当株を教えて」と入力するだけでも、それらしい銘柄を提案してくれます。
- 現在の日本株でおすすめの高配当銘柄を教えてください。
- 配当利回りが4%以上の日本高配当銘柄をいくつか教えてください。
ただし、このようなざっくりしたプロンプトでは、情報がやや表面的になることがあります。
たとえば、「配当利回り」しか見ていなかったり、最新のデータでなかったりするケースも。
そのため、以下で紹介するプロンプト②〜④のように、分析の視点や条件を加えることで、より実践的な情報が得られるようになります。
②特定の銘柄について分析してもらう
すでに気になる銘柄がある場合は、その企業名や証券コードを指定してプロンプトを入力すると、ChatGPTが分析結果を返してくれます。
たとえば、以下のようなプロンプトが使えます。
- 銘柄「4508 小野薬品工業」について、配当利回り、配当性向、売上高、営業利益率、ROE、自己資本比率などの視点から分析してください。
- 証券コード2914の企業(JT)の財務情報と配当状況をもとに、今後の投資判断についてアドバイスしてください。
企業名だけでなく、「どんな指標に注目したいか」まで伝えると、より精度の高い分析が得られます。
③分析の視点(指標)を細かく指定する
ChatGPTの強みは、分析の切り口を自由にカスタマイズできる点です。
あなた自身が知りたいポイントに絞って指示を出すことで、必要な情報だけを効率よく得られます。
以下のようにプロンプトを工夫してみましょう。
- 配当利回りが高く、かつ過去5年で減配していない日本株を3つ挙げてください。各企業の配当利回りと配当性向もあわせて教えてください。
- 直近3年間の売上高成長率と営業利益率の推移をもとに、成長性が高い日本株を2〜3社ピックアップしてください。
- ROEが10%以上で、自己資本比率が高い安定企業を教えてください。できれば東証プライム上場銘柄に絞ってほしいです。
このように、「条件」や「絞り込みたい基準」を明確にするほど、ChatGPTは的確な答えを出してくれます。
④情報源を指定する
情報源を指定すると精度が上がります。
逆に指定しないと、情報が古かったり、情報が間違えていたりします。
私は、以下のように情報源を指定しています。
- 銘柄「4508 小野薬品工業」について、Yahoo!ファイナンス、IR BANK、公式サイトの情報を元に高配当株として分析してください。
- 銘柄「4508 小野薬品工業」について、https:xxx.com(調べたいサイトのURL)の情報を元にから高配当株として分析してください。
サイト名やURLを指定するだけで、最新情報を取得してくれたり、情報を間違える確率が減らせます。
⑤自分で銘柄を入力して分析させるテンプレ
特定の銘柄を自分で選び、それをChatGPTに分析させたい場合は、以下のようなテンプレートを使うと便利です。
このようにプロンプトを構造化しておくと、ChatGPTは必要な情報を整理して返してくれるため、分析レポートのような形でアウトプットを得ることができます。
必要に応じて、テンプレの項目を減らしたり、他の指標(EPS、営業キャッシュフロー、負債比率など)に入れ替えたりしてカスタマイズしてください。
おまけ
現在(2025/5)私が普段使っているプロンプトについて紹介します。
私はAIを使う前は下記のような手順で銘柄分析を行っていました。
- IR BANKを使って「過去の業績」を確認
- 企業HPで「最新の業績」を確認
- あらゆる情報をもとに「将来」を予想
この手順でどのようなものが知りたいかをまとめたプロンプトが下記です。
ただし、無料プランのChatGPTでは、一度にたくさんの項目をお願いすると、一部の情報が省略されてしまうことがあります。
そんな時は分割にして質問すると、より丁寧で詳しい回答を得やすくなります。
上記プロンプトを分割するとこんな感じでです。
結果が出たら、「過去の業績を確認」から順番に聞いていきます。

私も試行錯誤しながら、日々プロンプトを工夫して使っていますよ。
プロンプトを作るコツ
うまくプロンプトを作るには、以下のポイントを意識すると、より望んだ回答がもらいやすくなります。
- 何を知りたいか、目的をはっきり伝える
- 必要な情報や資料をできるだけ具体的に提供する
- 質問内容をわかりやすく、段階的に整理する(構造化する)
- 回答を見ながら何度かやり取りして調整する
- よく使う質問はテンプレートとして保存しておく
たとえば、
「決算短信を1分で読めるように要約してほしい」
といったように、具体的に目的を伝えると、より精度の高い回答が期待できます。
また、
元のデータや参考資料、細かい指示を添えることで、的確なアウトプットがもらいやすくなります。
質問を構造化しておくと、ChatGPTは情報を整理して、
分析レポートのような形で結果をまとめてくれます。
最初から完璧を目指さずに、
段階を踏んで少しずつ指示を追加・修正しながら改善していくのがコツです。
さらに、よく使うプロンプトはテンプレート化しておけば、
効率よく繰り返し使えて便利です。
AIで分析した結果
前章で紹介したプロンプトを使って、無料プランでどんな結果が得られたのかをご紹介します。
ちなみに、有料プランは月額$20と$200の2種類あり、機能が増えたり、利用回数の制限が緩和されたりします。
プロンプト①の結果
プロンプト①の回答(一部抜粋)はこちらです。
画像のように、以下の内容についての回答が得られました。
- 配当利回り4%以上の注目銘柄(2025年6月時点)
- 詳細情報と最新ランキング
- 投資のポイント

プロンプト②の結果
プロンプト②の回答(一部抜粋)はこちらです。
画像のように、以下の内容についての回答が得られました。
- 配当面
- 売上高 & 営業利益率
- ROE(自己資本利益率)
- 自己資本比率
- まとめ評価
- 投資上の視点
- 結論

プロンプト③の結果
プロンプト③の回答(一部抜粋)はこちらです。
画像のように、以下の内容についての回答が得られました。
- 新家工業(7305)
- 伊藤ハム米久ホールディングス(2296)
- ファンコミュニケーションズ(2461)
- まとめ比較
- 投資検討の視点

プロンプト④の結果
プロンプト④の回答については情報源が変わるだけなので省略。
プロンプト⑤の結果
プロンプト⑤の回答(一部抜粋)はこちらです。
画像のように、以下の内容についての回答が得られました。
- 配当利回り
- 配当性向
- 売上高と営業利益の推移
- ROEと自己資本比率
- 財務の健全性と配当の持続可能性
- 総合評価
- 今後のポイント

AI分析の注意点
AI分析は便利ですが、「情報が正確」というわけではありません。
AIは情報の整理と分析を高速・効率的に行ってくれますが、投資判断はあくまであなた自身の責任です。
AIの力を借りつつ、「なぜこの株を買いたいのか」「将来どうなってほしいのか」などあなたの投資スタンスを考えて判断することが大切です。
まとめ
AIを活用した銘柄分析は、膨大な過去データや定量情報を効率的に整理するのに非常に役立ちます。
特に、高配当株のように「数字の安定性」が重要視される分野では、大きな力を発揮します。
AIの進化はとても速いため、今回ご紹介した結果よりもさらに高度で精度の高い分析が可能になることが期待されます。
これからもAIを上手に活用しつつ、最終的な判断は自分の目でしっかり下せるように、継続的に学び続けましょう。