「世界通貨セレクト」では、世界中の注目通貨ペアを選び、投資の参考になる情報をまとめています。
その中でも、資源国同士の通貨ペアは、資源価格や経済の影響を強く受けやすいのが特徴です。
また、リスク回避通貨ペアは、市場の不安定時に特に注目される動きをします。
この記事では「資源国・リスク回避通貨ペア編」として、
豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)、ニュージーランドドル/カナダドル(NZD/CAD)、ドル/スイスフラン(USD/CHF)について、
それぞれの特徴や値動きのポイントをわかりやすく紹介します。
目次
資源国通貨ペアの特徴
資源国通貨ペアとは、資源の輸出入が経済に大きな影響を与えている国同士の通貨ペアを指します。
代表的な通貨には、豪ドル(AUD)、カナダドル(CAD)、ニュージーランドドル(NZD)があります。
これらの通貨ペアは、原油や鉱物、農産物などの資源価格の変動に強く影響を受けるため、相場が資源市況の動きに連動しやすい特徴があります。
そのため、資源価格の動向を把握することが、資源国通貨ペアの値動きを理解する上で非常に重要です。
また、これらの国は経済規模や政策面で似た傾向を持つことが多く、比較的安定した値動きが期待できる場合もあります。
一方で、資源価格の急変や世界経済の動向により、短期的に大きな変動が起こるリスクもあることを理解しておきましょう。
リスク回避通貨ペアの特徴
リスク回避通貨ペアとは、市場の不安やリスクが高まった時に買われやすい通貨ペアを指します。
代表的な通貨に米ドル(USD)やスイスフラン(CHF)があり、これらは安全資産として投資家からの需要が増します。
こうした通貨ペアは、市場の不安定な局面で価値が上がりやすく、比較的安定した動きを見せることが多いのが特徴です。
そのため、リスク回避通貨ペアは、リスク管理を重視した自動売買戦略に適していると言えます。
しかし、市場環境や政策変更によっては、急激な値動きが発生することもあるため注意が必要です。
各通貨ペアの特徴
ここからは、資源国通貨ペアとリスク回避通貨ペアそれぞれの具体的な特徴について詳しく解説していきます。
各ペアの経済的背景や値動きの傾向、リスク管理のポイントを押さえて、自動売買に役立つ知識を身につけましょう。
豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)
豪ドルとカナダドルは、共に資源輸出に依存する資源国通貨ペアです。
ここからは、AUD/CADの特徴や値動きのポイントを詳しく見ていきましょう。
経済や貿易の結びつき
豪州は鉄鉱石や石炭、天然ガス、カナダは原油や木材、鉱物資源を主に輸出しています。
これらの資源価格の変動が両国の経済に大きく影響し、資源市況の動きに連動した為替の値動きが特徴です。
値動きの特徴
AUD/CADは資源価格に敏感で、特に原油や鉄鉱石などの価格変動が為替に大きな影響を与えます。
資源市況の変動により、比較的明確なトレンドが発生しやすく、中~高いボラティリティが特徴です。
また、経済指標や金融政策の違いから、短期的な値動きの差が生じることもありますが、全体としては資源価格に連動した動きが主な傾向です。
▼AUD/CADの過去のレンジ


リスク管理のしやすさ
AUD/CADは資源価格の変動に影響を受けやすいため、資源市況の急変に注意が必要です。
しかし、資源価格の動きに一定のパターンが見られるため、適切な損切り設定やポジション管理を行うことでリスクを抑えやすい通貨ペアでもあります。
自動売買で運用する際も、資源価格のトレンドを意識しながらリスク管理を徹底することが重要です。
ニュージーランドドル/カナダドル(NZD/CAD)
ニュージーランドドルとカナダドルは、共に資源国通貨ペアであり、特に農産物やエネルギー資源の価格変動が為替に影響を与えます。
ここからは、NZD/CADの特徴や値動きのポイントを詳しく見ていきましょう。
経済や貿易の結びつき
ニュージーランドは乳製品や肉類などの農産物、カナダは原油や木材、鉱物資源を主に輸出しています。
これらの資源価格の変動が両国経済に影響し、資源市況の動きに連動した為替の動きが特徴です。
値動きの特徴
NZD/CADは、資源価格の影響で比較的中程度のボラティリティと明確なトレンド形成が見られやすい通貨ペアです
農産物価格やエネルギー価格の変動により、為替の動きが左右されるため、経済指標や政策発表も注視する必要があります。
▼NZD/CADの過去のレンジ


リスク管理のしやすさ
NZD/CADは資源価格の変動に敏感であるため、急激な価格変動に備えたリスク管理が重要です。
適切な損切りやポジション調整を行うことで、比較的リスクを抑えながら運用できます。
自動売買で運用する場合も、資源市場の動向を常にチェックし、柔軟なリスク管理を心がけましょう。
ドル/スイスフラン(USD/CHF)
USD/CHFは、リスク回避通貨ペアの代表格であり、市場が不安定な時にスイスフランが買われやすい特徴があります。
経済や貿易の結びつき
アメリカは世界最大の経済大国であり、スイスは金融業や高付加価値製造業が中心の経済構造です。
スイスフランは安全資産として投資家に評価されているため、世界的なリスクオフの局面で買われやすい通貨です。
値動きの特徴
USD/CHFは、市場のリスク感情の変化に敏感に反応しやすく、値動きに急激な変動が見られることもあります。
リスクオン局面ではドル高、リスクオフ局面ではスイスフラン高になる傾向が強いです。
リスクオン局面とは、投資家がリスクを積極的に取ろうとする状況のこと。
リスクオフ局面とは、投資家がリスクを避けて安全な資産に逃げようとする状況のこと。
▼USD/CHFの過去のレンジ


リスク管理のしやすさ
リスク回避通貨ペアとしての特性上、相場が急変動しやすいため、損切りやポジション管理などのリスク管理が重要です。
自動売買でも、リスク感情の変化を捉えた戦略設計が求められます。
まとめ
資源国通貨ペアとリスク回避通貨ペアには、それぞれ特有の特徴と値動きの傾向があります。
資源国通貨ペアは、鉱物資源やエネルギー、農産物などの資源価格に強く影響されるため、資源市況の動きを把握することが重要です。
比較的明確なトレンドが出やすく、自動売買でも過去の傾向を活かした戦略を立てやすい一方で、資源価格の急変には注意が必要です。
一方、リスク回避通貨ペアは、市場の不安定な局面で安全資産として買われやすく、相場の急変動が起こることもあります。
そのため、リスク管理を重視した運用が欠かせません。
それぞれの通貨ペアの特徴を理解し、経済状況や市場動向を踏まえたリスク管理を行うことで、より安定した自動売買運用が期待できます。