円の介入に影響されないスワップ投資|ドル/リラ売りの実績

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悩んだ表情

リラ円でスワップ投資をしているけど、
円高になるたびに含み損が増えていく。
為替介入や日銀の発表のたびにヒヤッとする。
円が絡まないやり方はほかにないの?

笑顔の表情

私はFX歴5年以上で、複数の通貨ペアでスワップ投資を続けています!
この記事では、円をいっさい使わない「ドル/リラ売り」を紹介します。
選ぶ理由から私の実績、そしてリスクまでを解説します。

この記事を読むと、次のことがわかります。

  • 円が絡まない通貨ペアを選ぶと、何を避けられるのか
  • スイスフラン売りとは何が違うのか
  • 私の実際の運用実績と設定
  • リラの長期下落という、この手法固有のリスク
  • 今のリラ円を乗り換えるべきか、併用すべきか

先に結論をひとつ書いておきます。
この手法は、万人におすすめできるものではありません。
スイスフラン売りの記事で、私はトルコリラのペアを「上級者向け」と書きました。
今回はそのトルコリラを主役にしています。

それでも記事にするのは、円から離れたい方にとって現実的な選択肢だからです。
少額・低レバレッジで始めることを前提に読み進めてください。

ドル/リラ売りとは、米ドルを売って、トルコリラを買う取引のことです。
トルコの高い金利と、米国の金利との差を毎日受け取っていきます。

通貨ペアの表記は「前の通貨/後ろの通貨」です。
USD/TRY売りなら、前のUSD(米ドル)を売っています。
同時に、後ろのTRY(トルコリラ)を買っています。

多くの方がつまずくのがここです。
「ドルを買うのではないのか」という点です。

スワップポイントは、金利の低いほうを売って受け取ります。
米国の金利は、トルコと比べればずっと低い水準です。
スワップをもらう側に立つには、ドルは「売る」のが正解です。

向きを間違えると、真逆の結果になります。

取引 中身 スワップ
USD/TRY 売り ドルを売って、リラを買う 受け取る
USD/TRY 買い ドルを買って、リラを売る 支払う

FX会社によっては、同じ取引を「TRY/USDの買い」と表記していることもあります。
どちらも中身は同じです。
ドルを売って、リラを買っています。

ドルを売ってリラを買い、金利差をスワップとして受け取る仕組み

スワップポイントは、2つの通貨の金利差から生まれます。
金利の低い通貨を売り、高い通貨を買っている間、その差額を毎日受け取れます。

リラ円の場合、原資は「トルコの金利-日本の金利」です。
ドル/リラ売りの場合は「トルコの金利-米国の金利」に変わります。

ここで注意点がひとつあります。
米国の金利は、日本の金利より高い水準です。
単純な金利差だけを見れば、リラ円のほうが大きくなります。

それでもドル/リラ売りを選ぶ理由は、金利差の大きさではありません。
円という不安定な要素を、通貨ペアから外せることにあります。
次の章で、そこをくわしく説明します。

笑顔の表情

ドルは買うんじゃなくて「売る」。
ここだけ間違えなければ、あとはふだんのスワップ投資と同じ考え方でいける。
金利差だけで見るとリラ円のほうが上、というのも先に知っておいて。

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この章が、このシリーズの中心です。
リラ円でスワップ投資をしていると、困ることがあります。
トルコとは無関係な理由で、含み損が増えることです。
原因は、通貨ペアの片側にいる「円」です。

円が絡むと、次の3つの影響を受けます。

  1. 為替介入:政府・日銀が市場で円を買うと、円高方向に一気に動く
  2. 日銀の金利政策:日本の金利が上がると、円高になりやすい
  3. リスクオフの円買い:世界的に不安が高まると、避難先として円が買われる

1つ目の為替介入は、動く幅が大きいのが特徴です。
どれくらい動くのかは、次の見出しで実際の数値を見ていきます。

2つ目は、日々の収益にじわじわ効いてきます。
日本の金利が上がると、円高圧力がかかります。
そのうえ金利差が縮まって、スワップまで減ります。
含み損が増えて、もらえる金利も減るという二重の逆風です。

3つ目の影響がいちばん大きくなります。
リスクオフの場面では、新興国通貨が売られます。
同時に、円が買われます。
つまり通貨ペアの両側が、同時に不利な方向へ動きます

「介入が怖い」と言われても、ピンとこないかもしれません。
過去の介入で、ドル円がどれだけ動いたかを見てみましょう。

時期 介入額 ドル円の動き
2022年10月21日 5兆6202億円(1日で過去最大) 151円台→一時144円台(約7円)
2024年4月29日〜5月1日 合計約9.8兆円 160円台→一時151円台(約8円)
2026年4月28日〜5月27日 合計11兆7349億円 160円台後半→155円接近(約6円)
2026年7月30日〜8月3日 推計12〜13兆円(過去最大規模) 164円接近→155円台(約9円)

(出典:日本経済新聞 円買いの為替介入、22年10月に2日間 1日で最大5.6兆円/フジトミ証券 2022年と2024年に実施された為替介入のデータをおさらい/三井住友DSアセットマネジメント 11.7兆円規模となった2026年4月〜5月の為替介入の効果を考える/日本経済新聞 為替介入3日間で推計12兆円規模 行きすぎた円安構造、変化の兆し

いずれもいずれも数日で6〜9円という幅です。
円買い介入はドル円だけでなく、クロス円全体に同じ方向の影響が出ます。
リラ円も、同じタイミングで下に引っぱられます。

とくに2026年7月31日の介入は、日米が足並みをそろえた協調介入でした。
円買いでの協調介入は、約28年ぶりです。
介入の規模も頻度も、以前より大きくなっています。

自分が持っているリラに何も起きていないのに、含み損が増える。
これが対円ペアの構造的な弱点です。

通貨ペアから円を外すと、上の3つが直接レートを動かすことはなくなります。
日本で為替介入が入っても、USD/TRYというレートに円は関係していないためです。

ただし「まったく無関係」とまでは言えません。
介入が行われる場面は、世界的に不安が高まっているときと重なりやすいです。
そのときは、ドルも新興国通貨も動きます。
直接の影響は消えるけれど、間接的な影響は残ると理解しておくのが正確です。

項目 リラ円(TRY/JPY買い) USD/TRY売り
為替介入の影響 直接受ける 直接は受けない
日銀の金利政策 レートとスワップの両方に影響 直接は影響しない
リスクオフ時 円が買われて不利 ドルが買われて不利
スワップの原資 トルコ-日本の金利差 トルコ-米国の金利差
気にすべき中央銀行 日銀 FRB(米国)

最後の行が、この手法の本質です。
日銀からは逃げられますが、FRBからは逃げられません。
監視すべき相手が入れ替わるだけ、という理解が正しいです。

介入よりも、日々の収益に効いてくるのがこちらです。
日本の金利が上がると、対円ペアのスワップは確実に減ります。

2026年8月現在、日本の政策金利は1.00%です。
かつてのゼロ金利のころは、この引き算をほとんど気にせずに済みました。
今は事情が変わっています。

日本の金利が上がると リラ円(買い) USD/TRY(売り)
スワップ 減る(金利差が縮む) 変わらない
レート 円高で不利になりやすい 関係しない

ドルを売る形にしておけば、日本の金利がどこまで上がってもこの引き算は起きません。
「日本の金利がこれからも上がる」と考えているなら、円から離れておく意味は大きいです。

この構造は、スイスフラン売りの記事でくわしく解説しています。
関連記事円の介入に振られないスワップ投資|スイスフラン売りの設定と実績

笑顔の表情

円を外せば、介入も日銀も関係なくなる。
そのかわり見張る相手がFRBに変わるだけで、見張る相手がゼロになるわけじゃないよ!

このシリーズを続けて読んでいる方が、いちばん知りたいのはここだと思います。
スイスフラン売りと、今回のドル/リラ売り。
どちらも円を外す手法ですが、性格はまったく違います。

違いは、売る側の通貨の性格から生まれます。

スイスフランは避難通貨です。
世界が不安になると、逃げ場として買われます。
値動きは、ふだん静かで、たまに跳ねます。

米ドルは基軸通貨です。
世界の取引の中心にあり、常に大量に売買されています。
値動きは、日々ある程度動きます。
そのかわり、数分で30%飛ぶような性質は持ちません。

項目 CHF/ZAR売りなど USD/TRY売り
売る通貨の性格 避難通貨 基軸通貨
売る通貨の金利 ほぼゼロ ゼロではない
金利差の大きさ 大きい やや削られる
取扱FX会社 とても少ない 比較的見つけやすい
最大のリスク フランの急騰 リラの長期下落
リスクの型 まれに起きる激震型 常に進んでいる摩耗型

いちばん差が出るのが、世界が不安になった場面です。

フラン売りでは、フランが急騰します。
同時に、新興国通貨が急落します。
両側が一気に逆へ動くので、評価損は短時間で膨らみます。

ドル/リラ売りでも、ドルは買われます。
ただしフランほど極端な跳ね方はしません
そのかわり、別の問題を抱えています。
リラが平時からじわじわ下がり続けることです。

フラン売りは「一発で口座が飛ぶ」タイプ、ドル/リラ売りは「気づいたら削られている」タイプです。
どちらが安全という話ではありません。
やられ方が違うだけです。

結論を先に書きます。
値動きの急さが怖いならドル/リラ売り、長期の下落が怖いならフラン売りです。

判断の材料になるよう、向いている方を整理しました。

こういう方 向いている手法
数分で口座が飛ぶ事態を絶対に避けたい ドル/リラ売り
何年も含み損を抱えるのが精神的につらい フラン売り
取扱口座を探す手間をかけたくない ドル/リラ売り
金利差をできるだけ大きく取りたい フラン売り

なお、両方を同時に持つのはおすすめしません。
どちらも新興国通貨を買う構造なので、リスクオフでそろってやられます。

笑顔の表情

スイスフラン売りは激震型、ドル/リラ売りは摩耗型。
一発で終わるのが嫌ならドル/リラ売り、じわじわ削られるのが嫌ならフラン売り。
どっちも安全ということではないよ!

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私の実際の成績を公開します。毎月更新予定です。

2026年

スワップポイント(累計) 評価損益 合計損益
8月 -円 -円 -円

※1LOT=1万通貨。運用開始:2026年8月

この表を見るときの注意点があります。
スワップの累計だけを見ても、この手法の実態はわかりません。

理由は、リラが下がり続けるからです。
スワップが積み上がっても、評価損が同じだけ増えていれば手元は増えていません。
見るべきは、いちばん右の合計損益です。

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スワップの数字だけ見て喜ばないこと。
評価損を引いた合計損益がプラスかどうか、そこだけ見ればいいよ!

良い面と悪い面を両方書きます。

  1. 円の事情(為替介入・日銀の金利政策)に振られない
  2. トルコの金利が高く、スワップの水準が大きい
  3. ドルは取引量が多く、極端に飛びにくい
  4. クロスフランより取扱口座を見つけやすい
  5. 米国の情報は日本語でも手に入りやすい

とくに大きいのは3つ目です。
ドルは世界でもっとも取引されている通貨なので、値が飛びにくいという性質があります。
フラン売りと比べたときの、いちばんの安心材料です。

  1. トルコリラが長期にわたって下落し続けている
  2. 米国の金利が下がると、スワップが減る
  3. 有事にはドルも買われる
  4. 米国の金利がゼロではないぶん、金利差が削られる
  5. トルコの政治・経済の情報が日本語では少ない

いちばん重いのは1つ目です。
スワップで受け取った分が、為替差損でそのまま消えることがあります。
これはこの手法の根幹に関わる話なので、後半の「ドル/リラが大きく動くとき」で構造から説明します。

2つ目も注意が必要です。
米国の金利が下がる局面では、金利差が縮まります。
「今のスワップがずっと続く前提」で資金計画を立てないことが大切です。

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メリットは「日本の事情から離れられる」と「値が飛びにくい」の2つ。
それ以外はリラ円のほうが楽だよ!

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USD/TRYは、クロスフランよりは扱う会社が多いです。
それでも全社が対応しているわけではありません。
まずはUSD/TRYを扱っているかどうかから確認しましょう。

長期で保有するので、見るべき点は次の4つです。

  • USD/TRYを扱っているか
  • スワップポイントの水準が高いか
  • スワップポイントの受取タイミング(自動付与か手動受取(決済時)か)
  • スプレッドの狭さ

いちばん重視すべきは、スワップポイントの水準です。

受取タイミングが「手動受取(決済時)」の口座もあります。
その場合は受け取る時期を自分で調整して、税負担をコントロールできます

スプレッドは実質的な取引コストです。
ただ頻繁に売買しない手法なので、極端に広くなければ問題になりません。

USD/TRY取扱いしている3社を比較しました。

口座/項目 スワップ スワップ受取 スプレッド
外為どっとコム 830円 決済時 3.0pips
ヒロセ通商 1,123円 決済時 4.1pips
JFX 1,163円 決済時 4.1pips

※2026/8/4時点。スワップポイントは毎日変動し、口座ごとにも差があります。最新の数値は各社の公式ページでご確認ください。

もうひとつ大切なのが、リラ円とドル/リラ売りを同じ口座に置かないことです。

同じ口座だと、証拠金がひとつにまとまります。
片方の急落で、もう片方まで一緒にロスカットされます。
どちらもリラを買う取引なので、同時に不利になる場面が必ず来ます。

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口座を選ぶ前に、まず取扱通貨ペアの一覧を見にいこう。
あとリラ円を持ってるなら、口座は絶対に分けよう!

私が守っているルールは次の5つです。

  1. 一度にまとめず、少額ずつ分散して増やす
  2. レバレッジは低く抑える
  3. 逆指値を入れておく
  4. 定期的に金利と証拠金維持率を確認する
  5. 損益はスワップ込みの合計で判断する

買い増しは、ドルが上がる(=売り側に不利になる)たびに少しずつ行います。
一度にまとめて建てると、そのあとの不利な値動きで損失が大きくなるためです。
少しずつ増やせば、平均レートを有利にできます。

私は実効レバレッジ2倍以下を上限にしています。
実効レバレッジとは、建てている通貨の合計金額を、口座のお金で割った数字です。

フラン売りの記事でも、トルコリラが絡むペアは1〜2倍が上限だと書きました。
本作もその水準を変えません。
スワップが高いぶん、レバレッジを上げたくなるのがいちばん危ないところです。

実効レバレッジ 耐えられる値動き ドル/リラ売りでの判定
1倍 非常に広い ◎ 最初はここから
2倍 広い ○ ここまでなら許容
3倍 やや狭い △ 長期の下落に耐えにくい
5倍以上 狭い ✕ 数年もたない
笑顔の表情

私はレバレッジ3倍以下になるようにしているよ!

損失が膨らみすぎないよう、逆指値を必ず入れておきます
逆指値とは、決めたレートに達したら自動で決済してくれる注文のことです。

ただし、逆指値には限界があります。
価格が一気に飛ぶ相場では、逆指値は設定したレートでは約定しません。
それでも「何も入れていない」状態より、はっきりマシです。

逆指値のラインは、含み損に耐えられる範囲の手前に置きます。
迷ったら、ロスカットされるレートより十分に手前が目安です。

月に1回は、米国とトルコの金利を確認しましょう。
あわせて、自分の証拠金維持率も見ます。
維持率が下がってきたら、追加入金で対応します。

この手法に固有の、いちばん大事なルールです。
スワップの累計だけを見ていると、判断を間違えます。

リラは長期で下がり続けます。
スワップが積み上がっても、評価損が同じだけ増えていれば手元は増えていません。
見るべきは、スワップと評価損を足した合計損益です。

合計損益がマイナスに沈み続けているなら、LOT数を増やしてはいけません。
スワップが多く入っていても、それは下落を先に受け取っているだけです。

利益を確定させたくなったときも、順番があります。
先に証拠金維持率を確認してください。
維持率に余裕がないまま出金すると、含み損に耐える力が落ちます。
出金は、合計損益がプラスで、かつ維持率に余裕があるときだけにしましょう。

スワップ累計と評価損を合算して合計損益で判断することを示した図解

笑顔の表情

5つのなかで削っていいものはひとつもない。
とくに5つ目は、この手法だと忘れやすい。
スワップがいくら入ったかじゃなくて、合計でプラスかどうかだけ見よう!

ドル/リラが大きく動くとき

円の弱点から逃げられるかわりに、別の弱点を引き受けることになる。
記事の前半でそう書きました。
その中身がこの章です。

引き受ける弱点は、ひとつではなく3つあります。

最大のリスクがこれです。
トルコリラは、長期にわたって価値が下がり続けています。

理由は、高いインフレ率です。
物価が上がり続ける国の通貨は、他国の通貨に対して弱くなります。
トルコの高金利も、このインフレを抑えるためのものです。

▼USD/TRYチャート

ドルリラチャート

出典:google finance

トルコリラは米ドルに対して、過去10年(2016/8-2026/8)で2.98から47.7に下落しています。(下落率は約93.75%)

▼USD/TRYチャート(過去5年)

ドルリラチャート

出典:google finance

トルコリラは米ドルに対して、過去1年(2025/8-2026/8)で40.8から47.7に下落しています。(下落率は約14.47%)

高いスワップは、リラが下がりやすいことの裏返しです。

スワップで受け取った金額より、リラの下落による損失が大きくなる。
この状態が続くと、持っているだけでお金が減っていきます。

1年間の結果 手元の状態
スワップ > リラの下落 プラス。手法として成立している
スワップ = リラの下落 ほぼ横ばい。リスクを取った意味がない
スワップ < リラの下落 マイナス。持つほど減る

どれになるかは、事前にはわかりません。
だからこそ、レバレッジを低くして、判断する時間を確保することが必要です。

円を外しても、ドルの変動は残ります。
ここを見落とすと、想定外の損失につながります。

影響は2つの方向から来ます。

  1. 米国の金利が下がると、金利差が縮まってスワップが減る
  2. 有事にはドルが買われ、売っている側が不利になる

1つ目は、日銀の利上げでリラ円のスワップが減るのと同じ構造です。
相手が日銀からFRBに変わっただけで、金利リスクは残っています。

2つ目も現実に起きます。
ドルは基軸通貨であると同時に、有事に買われる通貨でもあります。
フランほど極端ではありませんが、影響がゼロではありません。

リラは、じわじわ下がるだけではありません。
短期間に大きく動いた局面もあります。

2018年8月、米国との関係悪化でリラが急落しました。
8月10日には、対ドルで一時20%の下落です。
週明けの8月13日には、1ドル=7.24の当時の史上最安値をつけました。
(出典:CNBC

2021年は、中銀が利下げを続けたことが原因でした。
12月には一時1ドル=18.4まで下落し、年間の下落率は44%です。
その直後、預金保護策の発表で約50%も急反発しています。
2週間で18.4から10.25への往復でした。
(出典:ロイター

ドルリラ売りは、リラを買う方向のポジションです。
リラが下がれば、そのぶん含み損が膨らみます。
こうした局面では、ロスカットが間に合わないこともあります
「逆指値があるから大丈夫」とは言い切れません。

スワップポイントは金利差から生まれます。
トルコの金利が下がれば、受け取れる額は減ります。
米国の金利が下がっても、同じく減ります。

今のスワップ水準が続く前提で、資金計画を立てないでください。
金利の動向は、月1回は確認しましょう。

笑顔の表情

この章がいちばん大事。
高いスワップは、リラが下がる分の前払いだと思ったほうがいい。
それでもやるなら、レバレッジを下げて、合計損益で判断すること。

この記事で使っている数値をここにまとめました。
数値は変動するため、参考情報としてご覧ください。

国・地域 政策金利 備考
米国 3.75% 売る側の通貨
トルコ 37.00% 買う側の通貨
日本 1.00% 対円ペアとの比較用
スイス 0.00% フラン売りとの比較用

必要資金を計算式で出そうとすると、かえってわかりにくくなります。
目標のスワップ額から入るのではなく、レバレッジから決めるほうが失敗しません。

考える順番は2つだけです。

  • 実効レバレッジが2倍以内におさまるLOT数を出す
  • そのLOT数で、月にいくらスワップが入るかを確認する

先に「月3万円ほしい」と決めてしまうと、レバレッジが高くなりすぎます。
スワップの目標額から逆算した資金は、ロスカット寸前まで使い切った金額です。
順番を逆にするだけで、耐えられる口座になります。

思ったより少ない額しか入らないと感じたら、それが今の資金量に見合った水準です。
LOT数を増やすのではなく、資金が増えるのを待ちましょう。

笑顔の表情

「月いくら欲しいか」から考えるとレバレッジが上がる。
「レバレッジ何倍までにするか」から考えると、口座が生き残る。
順番を逆にしてもいいよ!

すでにリラ円で運用している方がいちばん迷うのは、ここだと思います。
今のポジションをどうするか、順番に考えていきます。

結論から言います。
リラ円を全部やめてドル/リラ売りに移すのはおすすめしません。一部だけ移しましょう。

ただし理由は、フラン売りのときとは違います。

リラ円とドル/リラ売りは、どちらも「リラを買う」取引です。
リラが暴落すれば、両方が同時にやられます。
つまり、この2つを持つこと自体は分散になりません。

では、なぜ併用をすすめるのか。
分散できるのは、リラのリスクではなく「もう片方の通貨」のリスクだからです。

持ち方 リラが下がると 円高になると ドル高になると
リラ円だけ 不利 不利 関係なし
ドル/リラ売りだけ 不利 関係なし 不利
両方を持つ 不利 半分だけ不利 半分だけ不利

リラのリスクは、どう持っても消せません。
円高とドル高の影響だけは、半分ずつに薄められます。
分散できる範囲を正しく理解したうえで併用するのが、この2つの正しい使い方です。

ドル/リラ売りに回すのは、全体の2〜3割までを目安にしてください。

ドル側の比率 考え方
1〜2割 まず試すならこのくらい。値動きを体感する段階
2〜3割 推奨の目安。円の影響を薄められる
5割以上 リラへの集中度が高すぎる。おすすめしない

配分を決めるときの判断材料は、次の2つです。

  • 日本の金利が今後も上がると考えるか(上がると思うならドル側を厚くする)
  • リラ全体への投資額が大きくなりすぎていないか
笑顔の表情

私はトルコリラ円5割、ドルリラ3割、フランリラ2割くらいにしているよ!

含み損をかかえたリラ円を持っている場合、決済して資金を移すのは慎重に考えてください

決済すると、その時点で含み損が確定します。
そのうえ、それまで積み上げてきたスワップを生み出す土台まで失います。

おすすめは、今のポジションは触らず、これから追加する資金で始めるやり方です。
時間はかかりますが、確定損失を出さずに配分を変えていけます。

新しくドル/リラ売りを始めるときの順番です。

  1. USD/TRYを扱っている口座を確認する
  2. リラ円とは別の口座を用意する(同じ口座だと巻き込みロスカットが起きます)
  3. 実効レバレッジが2倍以内におさまる金額を入金する
  4. 最小単位で1つだけ建てて、1か月ほど値動きを記録する
  5. 問題なければ、少しずつ増やしていく

4番目を飛ばさないでください。
最小ロットで1つ建てて、毎日スワップ額と値動きの幅を記録します。
その数字を本番のLOT数に引き伸ばして、耐えられるか確かめるためです。
記録のつけ方はフラン売りの記事でくわしく書いています。

笑顔の表情

両方持ってもリラのリスクは減らない。
減らせるのは円とドルの影響だけ。
そこを勘違いしたまま増やすのがいちばん危ないから、比率は2〜3割で止めておこう!

スワップポイントは「金利の低い通貨を売り、高い通貨を買う」ことで受け取れるからです。
米国の金利は、トルコと比べればずっと低い水準です。
そのため、ドルは売る側に置くのが正解になります。

避けたいリスクによって変わります。
円高や日銀の金利政策を避けたいならドル/リラ売り、なじみやすさを取るならリラ円です。
ただ、どちらもリラを買う取引である点は同じです。
片方に替えてもリラのリスクは消えません。

どちらも安全ではありません。
やられ方が違うだけです。
フラン売りは短時間で大きく、ドル/リラ売りは長期でじわじわ削られます。
くわしくは「スイスフラン売りとの違い」の章をご覧ください。

いいえ、限定できません。
価格が一気に飛ぶ相場では、逆指値は設定したレートでは約定しません。
逆指値は入れたうえで、レバレッジを低く抑えることがいちばん現実的な備えです。

多くのFX会社では、週の途中に「3日分まとめて付与される日」があります。
その形で、土日分も受け取れます。
付与のタイミングは口座によって異なるので、開設した口座のルールを確認してください。

今回は、円が絡まない「ドル/リラ売り」のスワップ投資について解説しました。
要点は次の3つです。

  1. ドルを売る形にすると、為替介入・日銀の金利政策・円高の影響を受けなくなる
  2. そのかわり、リラの長期下落と米国の金利変動を引き受けることになる
  3. リラ円を全部やめず、2〜3割だけ移す。ただしリラのリスク自体は分散できない

日本の金利が上がっていく局面では、対円ペアのスワップは減り続けます。
円から離れた選択肢を持っておくことには、それだけの意味があります。

一方で、この手法は高いスワップと引き換えにリラの下落を引き受けるものです。
「持っているだけで増える」手法ではありません。
実効レバレッジを2倍以下に抑えて、逆指値を入れたうえで始めてください。
判断するときは、スワップの累計ではなく合計損益を見てください。

まずは最小単位を1つ、今のリラ円とは別の口座で試してみましょう。

スワップ投資といっても、通貨ペアや設定の組み方次第でリスクや利益は変わります

私自身、さまざまな組み合わせを試してきましたが、現在は「政策金利差+レートの位置」を重視した設定に落ち着いています。

📌 通貨ペアごとに設定と運用実績を公開しています!

メキシコペソ/円 南アフリカランド/円トルコリラ/円 ハンガリーフォリント/円 チェココルナ/円 スイスフラン ドル/リラ
プロフ画像

モブ

本業年収300万円で資産形成中|投資は積立・自動売買・ルール決めで自動化して、時間をなるべく使わず副業時間を増やしています。